深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
深夜特急〈1〉香港・マカオ... | |
| 1年掛けて、大陸を貧乏旅行する経験自体は、良いことだと思うのですが、沢木節よろしく「だから俺は、他の若い奴より偉いんだ」的な態度には苦笑してしまいました。 でも、読み物としては面白いです。入社試験時の敵前逃亡に対し、もっともらしい言い訳をする所は「自分には優しい人なんだなぁ」と人間、沢木耕太郎さんを見た思いがして、良かったですね。バックパッカーやった奴が偉らいなら、日本で義務化すれば良い。とおもわせる逸品です。 読み物としては、面白いのでオススメです。その昔、1ドルが360円だった。それがバブル期に80円になったこともあった。円高はバックパッカーに都合が良く、またアジアへの旅はもともと物価が安く過ごすことができるメリットがあって私のような貧乏学生にも海外旅行ができた。この小説を読むと、今すぐにでも旅立ちたくなるが、現実的には、家庭を守り、子どもを進学させねばならず、家のローンも残っているし、仕事をやめる勇気はない。ということで、再び合流する楽しみは20年先の退職後にとっておく。 小説中にとても共感できる部分が、2つある。その1つは、道を聞かれるくらいに現地に溶け込むと、旅人側は好奇... | ||
深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
深夜特急〈2〉マレー半島・... | |
| 香港を出発して、マレー半島を下ってシンガポール向かう第2巻です。 なんといっても娼婦の館での件が面白すぎました(笑)。なんか陽気で和気あいあいとしてる 雰囲気が伝わってきて思わずニンマリ。娼婦にたかるヒモの若者達なんてギャグにしか思えな いが世界は広いもんだ(笑)。 前回から亘って、同じアジア圏でも色々と差異もあり読んでて面白いですね。何か旅先で 出会う人々をみてると、やっぱ日本人って真面目なんだよなぁ〜と感じます。まぁそのぶん つまんないのかもしれないけどね。 人物描写もいいんだけど、食べ物の描写がいいな〜。僕なんか普段食べたか食べないかわか らないぐらい、食べることにこだわりも執着もない人だが、これ読んでると不思議なことに 無性に食い意地がはってきます(笑)。なんかどれもこれも美味しそうに思えてくる。 あと巻末についてる対談は高倉健さんとです。「死に場所を見つける」なんてヤバイぐらい カッコいいタイトルだが、内容も渋くて勉強になりました。オススメです。 私達はどこか別の世界に連れて行ってくれることを期待して本を読むことが多いです。この本は、ページをめくればいとも簡単に夜行... | ||
深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
深夜特急〈3〉インド・ネパ... | |
| 私もインドを旅行したことがあります。日本の常識が通用しないことや人々の貧困に大変驚いたことを覚えています。 この本では駅や路上で生活している人やベナレスの死体焼場のことを取り上げていますが文章がどちらかというと冷静です。残念ながら1巻の「香港・マカオ編」のちょっとの事にも興奮して何でもやってやろうというワクワク感が減じてしまっているように思います。旅も佳境に入って、一日一日を現地の人たちとどうやって過ごすかということに重点が置かれているので仕方のないことかもわかりませんが・・。とにかく深いインド・ネパール編。第八章の「雨が私を眠らせる」は手紙という表現上も あわせて本当に淡々と描かれているが、それがまたアンニュイな気持ちにさせて、じめじめ した気候を想像すると自分がとけていきそうな気がする。 第九章の「死の匂い」の死体焼き場をポツンと眺めてる著者を想像してると、気が滅入るが そこの描写にあるように不思議な恍惚感が湧いてくる。 インドって国は不思議な国だとは思っていたが、何かこれを気に勉強してみたくなるような もしくは行って見たくなるような変な気持ちになりました。 それにしても貧... | ||
深夜特急〈5〉トルコ・リシャ・地中海 (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 460 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
深夜特急〈5〉トルコ・リシ... | |
| 旅にも幼年期、青年期、壮年期、老年期とあり、この巻では壮年期にあたる部分を描いている 確かにエネルギッシュに前へ、前へというよりは、何か心の隙間を埋めるように、それを 求めて前へ進んでいる印象を受けました。 個人的にはトルコ編はほのぼのとしていていいなぁ〜と思います。香港のスターフェリーも いいですが、こちらのアジアとヨーロッパを往復するフェリーは本当に羨ましいなと、、、 朝起きて、朝食を食べ、散歩してから食料を買いフェリーで風に吹かれぼーっとして、また 帰ってくる、たったそれだけの事がものすごく贅沢に思えてくる。 ギリシャ編では、スパルタの廃墟で出会った老人の件が感慨深いですね。年をとって好奇心 が磨耗しても人とだけは関わりたいというのがやっぱり素直な所なんだろうなぁ、、、 散歩してたらいきなりバースデーパーティーに誘われる件も、読んでて癒されます。やっぱ 人と人との繋がりはいいなと。 地中海からの手紙の章では、今までの旅の事をなかば自棄になって顧みてたりしますが、ほ んと人生の壮年期と同じですよね(笑)。 最後にいったい何を得るのか、次の巻が楽しみです。アジアからヨーロッ... | ||
深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 460 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
深夜特急〈6〉南ヨーロッパ... | |
| スペインのマドリードで昼は市を、夜は居酒屋をうろつく中で沢木さんは段々、無の感情に 蝕まれていきます。そこで懊悩してる時に、思い出したのがタイで会った夫妻に言われたこの 言葉で、そこに答えを見つけようとする、、、僕はこの深夜特急を最初から読んで、ずーっと 思っていたが、この人は何でこんなに真面目、いや誠実なんだろうと。。表面的な無鉄砲な ユニークさはあるが、内面は誠実そのもの、常識人だし、大人びてるし、保守的だし、確かに 育った世代もあるかもしれないが、この人は誠実そのものだと思う。 そう考えて振り返ると、深夜特急が何故こんなに面白いと思ったとき、この内面の深さは 結構あるんじゃないかなぁとね。普通(普通の26才、まぁまだ青年だよ)の人にだったら きっと、もっと表面的、センス的な所、フィーリング的な所が大事だろうし、もしくはもっと 単純か、逆に理屈っぽいかのどっちかだろう。つまり沢木さんが見たその国や街、あるいは 市場や広場、とりわけ人々への内面へ内面への観察力や、もしくはそれが一番大事とする 精神があるからこの本は面白いんだろう。 そしてそうゆう人柄が行き着く先々で縁を作るんじゃな... | ||
深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
深夜特急〈4〉シルクロード... | |
| このシルクロード編を読んでいると、文中でも使われてる蒼味を帯びた風がスーッと吹いてく るようなそんな感じを受ける。最初の方の勢いというものが薄れていき、著者自身の内面描写 にスポットが当たる部分も多い。だが迷い迷う姿には誠実さがあるような気がした。 ここでは乗り合いのバスがメインで淡々と進む所があるので、ある種起伏に欠けるが、それで も一台のバスの中に多国籍の放浪者達が集まる画は想像しただけで何か面白いし、バスの窓か ら時折覗く景色に非常に心が揺れるね。淡々としてるが、そこここに微妙に違う色があって 感慨深いね。 最初の香港編から物乞いはずーっと出てきたが、ここで登場したロッテルダムの男という青年 が、ほぼ限りなく文無しに近いのに、それでも物乞いの子供たちに自分の金をわけてやる姿に は感動したし考えさせられたね。著者もそこで衝撃を受けて、ある意味解放されて自由に なったと書いてるが、ほんとあげるのが良いとか悪いとかの理屈じゃないのね。生きるのも 生きれるのも理屈じゃないと、、、。 ここから旅も冬に突入するのかも、蒼味を帯びた風が吹いたとき、それがどこから吹いてるの かと前に進め... | ||
甘粕正彦乱心の曠野佐野眞一 ¥ 1,995 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
甘粕正彦乱心の曠野 | |
| 満州の現場を知っている人がいまどれほど残っていることだろう。生き証人を探すにしても最後のタイミングに差し掛かっている。その意味で、このタイミングで広く証言を探しつくりあげた大作だ。 しかしながら、この著者の信条なのか性質なのか、証言に対して憶測を加えたり、まったく事実と関係ない情報あるいは嘘の情報(断りを入れているものの)を織り交ぜて読者に自分の憶測を織り込もうとする手法には不誠実さを感じざるを得ない。 これは東電OLにもみられたもので、せっかくの著作への信頼性を自ら毀損している。“満洲の夜を支配する”と言われたという甘粕の実像を描いて、甘粕がやさしい人間性と あえて言えばリベラルな人類愛の持ち主でもあったことを示している。 従来の「大杉事件」の鬼憲兵といった類のステレオタイプの甘粕像を持っていた わたしは、彼がなぜ満洲に渡り満映の理事長になったのか、実に不可解であった。 軍人としての挫折、恐らく心ならずも負った罪はいかばかり彼の心を蝕んだことか。 帝国陸軍に限らず、軍隊は本来的に上官の命令は絶対であるから、自分の思いとの 乖離に悩む人は軍人には向かない。 軍隊とは非人間的な... | ||
阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫 さ 46-8)佐野眞一 ¥ 820 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
阿片王―満州の夜と霧 (新... | |
| まず文章がヒドい。「耳が勃起する」という表現が出てくる。読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど劣悪な比喩である。これだけでも読む気を失ってしまう。 さらに、「夜の帝王」「男装の麗人」といった人物形容がやたらと出てくることが気になる。陳腐な比喩が使われる度に人物像が薄っぺらになっていく。 表現だけでなく構成もよくない。3章になってようやく里見の物語が始まるのは回り道しすぎだと思う。 取材過程を見せることがこの作者のスタイルだが、そこでも寄り道のし過ぎがある。例えば五味川純平などはまったく関係ない訳だ。 そして文章以上に批判すべきは、作者の姿勢だ。 登場人物を「畜生」「怪物」「人倫にもとる」などと批判する。 その批判する姿勢には一点の疑いもない。 里見たち登場人物の人間性を否定すればするほど、著者や読者を含む一般人とは違う特異な人間であることが強調され、『阿片王』で扱われる歴史に普遍性がなくなっていく。 これが、この作品の決定的なキズである。戦前・戦中の満州で「阿片王」と呼ばれるほどの活躍を見せながら、その正体が多くの謎に包まれている里見甫の実像に迫ろうとする意欲的な一冊。 周到な文献・... | ||
敗れざる者たち (文春文庫)沢木耕太郎 ¥ 500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
敗れざる者たち (文春文庫) | |
| 「長距離走者の遺書」の円谷幸吉。川端康成の心も動かしたあの有名な遺書は28歳のときのものだそうです。 本書を読むと、3位に入った東京五輪のときには、余り期待もされておらずプレッシャーの少ない中での活躍だったようです。しかし、銅メダルを取ったことで環境は一変、プライベートで自分の結婚さえままならず(今では、少なくとも僕には信じられませんが・・現在のスポーツ界でも似たような状況はあるのでしょうか。)メキシコ五輪を控えケガを抱え、様々な悩みがあったことが自ら命を絶った背景にあったことが本書では強く示唆されています。本書を読むと、実に素直で朴訥、心の優しく、たまたま足の速かったひとりの青年像しか浮かんできません。その「たまたま」が短い人生を強い、せめていくばくかの従順さを失ったとしても、遺書など有名にならなくともこの好青年が不幸な結末を迎えなくて済む術はなかったものなのでしょうか。 沢木氏の眼は冷静で、その術は結論的にはなかった、と言っているようであり、それでもこの青年を暖かく見守っているようでもあります。 敗れるためには誰かにあるいは何かに倒されなければならない。彼は一体何に倒された... | ||
日本人の美徳 誇りある日本人になろう (宝島社新書 262) (宝島社新書 262)櫻井よしこ ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
日本人の美徳 誇りある日本... | |
| 金美齢さん稲田朋美さんと並ぶ女神ですねクーデター起こしてこの人を大統領にしたいですね(笑)本書は日本人が昔から持っていた美徳と著者自身のエピソードを語ったもの。常に凛とした姿勢で正論を吐く櫻井氏に私はどちらかと言うと好感を持っているのだが、一方「従軍慰安婦は存在しなかった」等と言う暴論を平気で主張する姿には危うさを感じている。本書を読むとその背景が良く分かる。 良く言えば純粋。悪く言えば一人よがりで視野が狭い。「できれば外国に一年くらい住んだ方が日本が良く見える」と言って、それが物理(経済・時間)的に出来い人の事は考えない。「自分らしさ」などと言う曖昧な(恐らくは実在しない)概念を思考の基軸に置く。ECO活動のプラス面にだけ眼を向け、再生産のコストや森林破壊の拡大等のマイナス面は無視する。幼少時のお稽古ごとに絡めて「理屈抜き」を強調するが、この辺に著者の発想の原点を見る。対象が薬害事件のようにヒットすれば、「理屈抜き」の執拗な批判が光るが、慰安婦問題において「理屈抜き」でアメリカに押しかけ、広告板を建てては拙いだろう。慰安婦支援団体からも相当反発を買ったようだ。家族の大切さを強調す... | ||
いまこそ国益を問え―論戦2008櫻井よしこ ¥ 1,500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
いまこそ国益を問え―論戦2... | |
| 政治を扱った本であるから、必ず賛否出るであろう。 ただ、本書、著者である櫻井よしこが評価されるのは、理路整然であり、読み物として良い平易さを持つことであろう。 安易に危機感を煽るわけでもなく、一方的な視点による賛美、批判などが見られない。 政治や社会問題、なにより日本という国の在り方に興味を持つきっかけとしては良書といえる。 著者は日本のためにしっかりとした方向を指そうと努力していることは万人が認めるところであり、その情報・努力には共感する。 しかしながら、国民の方向性が伴わないという事実がある。しかし著者はそれを物ともせず、これからも突進むであろう。頑張ってほしい。新聞や週刊誌に掲載されたコラムをまとめたもので4章からなり、全部で70のコラムが載っている。また、ひとつのコラムが3〜10ページ前後のまとまりのよさなので、飽きる事なく読み進められる。2007年6月から2008年6月までの掲載分なので、時代としては安倍政権から福田政権への政権交替を経験した1年間。更なる政権交替を目前に控えた今、「ちょっと前の政治・外交・経済」をきちんとおさらいする、という意味でも充実した内容だと思う。... | ||
彼らの流儀 (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 540 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
彼らの流儀 (新潮文庫) | |
| 人生は自分が考えている以上に短いし、行きたい場所や会いたい人、手に入れたいモノはその時に行かなければ会っていなければ手に入れなければ多分後で悔やむ事になるだろうと決して特別なわけではない、何気ない日常の一瞬を沢木さんが切り取ると こんなにも特別なものになってしまう。 鞄に忍ばせておいて電車の中やちょっとした空き時間に読むのに最適です。 私が一番好きなのは「胡桃のような」何度読み返してもいいなって思う。星3.5個 アメリカの名コラムニストであるボブ・グリーン彷彿させるコラム集。 著者本人が言う通りこの本は「発光体は外部にあり書き手はその光を感知するにすぎない」というスタンスによって描かれているためか、 対象となっている有名無名の人々ひとりひとりがとても生き生きとしている。 このコラムに描かれているものは、物語のように始まりと終わりがハッキリしているわけではない。 それはその話が進行形の現実の話だからであり、そしてそれが独特の読後感をもたらしてくれる。 一つ一つは短いコラムだが一人の人間の人生が凝縮された中身の濃いものである。有名無名も含めて33名(重複含む)の人生が鮮やかに切... | ||
旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三佐野眞一 ¥ 1,835 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
旅する巨人―宮本常一と渋沢... | |
| こん日本人が戦後にいたのか、という驚き。 50代まで“無給”の仕事を続けた男の不思議な足跡を辿る旅。 そういう人間達がいなければ、近世の日本の民俗資料の多くは消失していたのだ。 実際、そうやって歴史を失ってしまった国は珍しくもない。 なぜなら人間は、立身出世だけを追い求めるのが普通だから。 本書を読んで思ったのは、彼らにその情熱を抱かせたものとは何だったのだろう? という純粋な疑問だ。それは庶民の歴史と共に、日ごとに今の日本から失われつつ あるように思えてならない。 佐野眞一さんの宮本評伝。 凄い本です。 宮本常一さんの本(論文)はまだ読んだ事がないのですが、網野善彦さんの書かれた本から宮本さんの凄さは認識していました。 柳田国男の民俗学の視点とは異なるまさに常民、海人、山人の民俗を歩いて歩いてそして記録していった宮本さんの姿が浮かび上がります。 離島出身でかつ貧しかった宮本さんが、まさに資本家の跡取りの渋沢敬三に見出され生涯を日本の山村や漁村の調査にささげた生き様が佐野さんの筆で記録されています。渋沢氏自身も本来は事業を継ぐのでなく研究で生きて行きたかった事で、アチック博物館... | ||
日本が犯した七つの大罪 (新潮文庫)櫻井よしこ ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
日本が犯した七つの大罪 (... | |
| 「日本が犯した七つの大罪」というタイトルに惹かれて本書を手にしました。北朝鮮による日本人拉致事件に対する日本政府と外務官僚の弱腰と戦略のなさには呆れるばかりです。日本の常識は世界の非常識だと改めて感じました。道路公団民営化に関る記述では、妥協の産物で何のために民営化するのかという基本的な理念が曖昧にされてしまったことが分かりました。中国との外交関係に於いては、日本の主張の脆弱さが浮き彫りになっており、国際社会の中でいかに日本外交が遅れをとっているかが分かります。いつからこんな日本になってしまったのでしょうか。物を言い主張しまいと日本がいくら世界に貢献しても顔が見えないのが残念です。この著書を通して、今後の教育問題を含めて考えさせられました。日朝交渉、道路公団民営化、外交問題、人権問題、日中問題、 薬害エイズ、狂牛病対策の問題を、ジャーナリズム的な 視点から分析している。 結構昔の本なのに、まだまだ2008年現在でも新しいと 思えるような情報が出てくるところがすばらしい。 気になった所といえば、他の方も指摘しておられるが ・各章の分量が、事件の重要性と関係なく一定であること ・ジャ... | ||
テロルの決算 (文春文庫 (209‐4))沢木耕太郎 ¥ 540 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
テロルの決算 (文春文庫 ... | |
| 昭和35年、僕は小学校5年の秋のこと。多分友達と遊んでいた。そしてまたも多分土曜日(か日曜日)・・家に父がいたと思うから。当時は土曜日は昼まで努めていた時代。何か忘れ物をしたかの理由で家に帰ったら、お父さんが「えらい事になった」と唸っていた。「浅沼さんが刺された」「浅沼さんって誰?」「社会党の偉い人や・・」・・・まあこんな会話をした記憶がある。でも僕はそれから遊びに出て行ったからのん気なものである。その後、テレビや新聞で刺したのがまだ若いお兄さんであったこと等々、さらにすごく有名になった刺された瞬間の1枚の写真。ある意味でものすごく心の中に残った事件であった。ただ昨今の秋葉原の事件と違って人を刺すのは一緒でものは「考えさせるもの」があったですね。 後日、事件のあった日つまり昭和35年10月12日を調べたら土曜日でも日曜日でもなかった。でもあの日、確かにお父さんが家にいたよなあ。昭和35年に起きた社会党委員長浅沼稲次郎刺殺事件を扱ったドキュメンタリー作品。犯人と浅沼の生い立ちから事件までの経緯が関係者を含めて小説風に語られるのだが、豊富な取材に裏付けされているため、語り口に不自然さを感... | ||
妻たちの二・二六事件 (中公文庫)沢地久枝 ¥ 660 通常3〜4日以内に発送 ★★★★★ |
妻たちの二・二六事件 (中... | |
| 二・二六事件から三十数年後に、二・二六事件の首謀者の遺族達を取材したドキュメンタリーです。 ほとんどの妻達が、若くして夫を亡くしたのですが、その後の人生は、保母の資格を取って子供を育てた女性、夫の後を追うように亡くなってしまった女性、再婚に踏み切った女性、実家と婚家の狭間で苦悩する女性など、実に様々です。 処刑間際に妻への愛情を吐露する夫達の姿が、妻達を呪縛したという著者の指摘が、重く響きます。 二・二六事件について調べたい方にお薦めしたい本の一冊です。 | ||
カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)佐野眞一 ¥ 660 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
カリスマ―中内功とダイエー... | |
| 元・ダイエーグループの社員だった私としては、どれも納得できる内容ばかりでした。 そして、著者である佐野氏については、よく調べよく取材されたと感心する。 佐野氏は昔、ダイエーによって実家の小売店をなきものにされたそうだが、決して 私怨に走らず中立的かつ客観的にまとめているあたりは流石一流のジャーナリストと言える。 プロローグは店舗のバックヤードに”従業員の生活を助ける為にもどうか当社の商品を 買ってください”と懇願する張り紙が貼られたところから始まる。 現在も続くダイエーの惨状を物語る張り紙である。 中内氏の名前(功いさお)からとった会員制スーパー「Kou'S」について触れられているが、 この本にもあるように従業員は否応無く3000円の会費を払わされ、強制的に会員にさせられる。 私もそうだったが、会員にならない従業員には会員になるまで勤務中でもお構いなしに 入会を促す内線電話がひっきりなしにかかる。 季節毎に変わるスポット商品は強制購入は当たり前。 業績が悪くなり始めた1995年あたりから、社員をグループ会社へ強制出向。 ようするに今までの仕事とは全く畑違いなグループ会社に出向させ... | ||
チェーン・スモーキング (新潮文庫)沢木耕太郎 ¥ 460 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
チェーン・スモーキング (... | |
| 沢木氏の持ち味なのかもしれないが、エッセイを小説のように読ませるところが面白い。 しかし沢木氏が他のエッセイで見せるような手法、つまりある事柄の本質を、 その周りの事柄を鋭く描き出すことによって浮かび上がらせるような深みはない。 どちらかというと時間つぶしにさっと流し読みして楽しむのに向いているだろう。 連鎖、連鎖、また連鎖。 とめどなく続く日常会話のように、つながっているようでつながっていないような、そんな取り留めのなさ。 しかも、記憶もあいまいで、「こうじゃなかったけ」といった適当さがある。 文章は体系的であり、きっちりと文献に当たるべし、書物の基本がそうである分、この適当っぷりと人間くささはけっこう好ましい。 沢木氏は、「深夜特急」などで世界を渡り歩いているが、感覚としてはかなり都会的な人だと思う。 深夜タクシーの描写はなかなかのものだし、つながりがあるようなないような、この距離の感覚もなんとも都会らしい。 気分としては、東京のネオンを眺めながら、時間を気にせずぼんやり読みたい本。例えば話題や人々の思考が移り行くのと同じく、 このエッセイで紹介されるエピソードもどんど... | ||
東電OL殺人事件 (新潮文庫)佐野眞一 ¥ 740 通常24時間以内に発送 ★★★ |
東電OL殺人事件 (新潮文... | |
| 猟奇殺人、多重人格など犯罪心理学的な事に興味があり、新潮45シリーズ等読みあさってきたが、これ程読みにくい、最初から最後まで入り込めず集中力さえ削がれるノンフィクションに出会ったのは初めてです。とにかく、著者の主観の多さと、無理矢理小説らしくしたいのか、リアリティの無い表現がこれでもか、というほど散りばめられて、内容の割に頁数だけ増えた一冊です。もしかすると、○○頁位で仕上げると決められて書いたのかと疑ってしまう程。事件のアウトラインを知るにはまぁ、悪くはない。 私はこの事件が起こった頃、とても気になりつつも多忙で情報不足だったため、 後追いでこの本を読んで知った事実も多数あった。 もちろん他の方がおっしゃるとおり、思い込み(思い入れ?)が強すぎるように感じたり、 容疑者は冤罪ではないか?という方向に話が進んだりするしで、 結局被害者の行動の意味は解明されないので(佐野氏自身の考え(これも思い込みっぽい)はあるのだが、外していると思う) 不満はモヤモヤと残るが。 しかし、ジャーナリストに精神分析までは無理だとも思う。 (これは決してジャーナリストを貶めているわけではない。念の為)... | ||
何があっても大丈夫櫻井よしこ ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
何があっても大丈夫 | |
| あの冷静沈着かつ優雅で美しい櫻井よしこさんが、どのような環境で育ったのか、これは、いわば「櫻井よしこの作り方」である。 どこかのご令嬢で、のびのび成長なさったのではないかという、一般的なイメージを根底から覆す、意外な苦労人である。苦労の根本は破天荒な(失礼)父親にあると思いますが、この父親の対極にあるものとして、「何があっても大丈夫、お母さんがあなたを守る、あなたならやれる」と励まし続ける母親を際立たせているようです。「何があっても大丈夫」という言葉は、何回も出てきて、大事な局面で、櫻井さんの背中を押し続けるのですが、それを読むたびに読者も勇気付けられ、もう何だかこの母親は他人ではないような親近感を感じます。 「悪妻を得れば哲学者になる」という言葉がありますが、この父親がいたおかげで、櫻井さんは常に自分の感情と向き合わなければならない状況が続いていきます。櫻井さんの人生において最大のスパイスになっているような印象を受けました。モーボサンセンの子ども時代、ダンスパーティーを楽しみ、留学生たちとの交流を通じ国際感覚を養ったハワイでの大学時代、そして何と言っても、米紙東京支局長のポンド... | ||